街中や自然の中で、頭上から「白いフン」が落ちてくるという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
よく見かけるあの白い物体、実は「フン」ではなく「尿」だったというのはご存じでしょうか?
今回は、鳥のフンの正体や色の違い、そして直撃を避けるためのちょっとした知識をご紹介します。
鳥のフンは白い?実は“フン”ではなく“尿”
よく見る白いフン、実は“尿酸”だった
鳥の排せつ物は一見すると白っぽいペースト状のものが多く、それをフンと思いがちですが、実はそれは「尿」にあたる成分で「尿酸」が主成分です。
鳥は哺乳類と異なり、尿とフンを一緒に排せつします。そのため、白い部分が尿、茶色や緑っぽい部分がフンという構造になっていることが多いのです。
フンの色でわかる鳥の健康状態
鳥のフンの色は、食べたものや体調によっても変わります。
黄褐色から深緑色までさまざまですが、白っぽい便は消化不良や栄養状態を示している場合もあり、黒っぽいフンは消化管出血の可能性があるとも言われています。
つまり、鳥のフンはその健康状態を知る手がかりにもなるのです。
鳥のフンの汚れを取る方法は?素材別の方法
鳥のフンは放置するとシミになったり、塗装や素材を傷める原因になることがあります。
ここでは、衣類・車・ベランダ・屋外家具などのケース別に、正しい掃除方法をご紹介します。
基本の注意点
- 乾く前に処理するのが理想です。
- 必ず手袋を着用し、可能であればマスクも使用しましょう。
- 処理後は、石けんによる手洗いやうがいを徹底してください。
鳥のフンは早めに、やさしく丁寧に処理することが大切です。
乾燥してしまうと落としにくくなるだけでなく、衛生面でもリスクが高まります。
正しい知識と方法を身につけておけば、いざという時にも落ち着いて対処できるでしょう。
衣類についた場合
- ティッシュやペーパータオルで、フンをつまみ取ります(こすらない)。
- ぬるま湯(40℃以下)で裏側から洗い流します。
- 液体洗剤または酸素系漂白剤を汚れに塗布し、10〜20分ほど置きます。
- その後、通常通り洗濯機で洗います。
- よく乾燥させ、直射日光で殺菌も行うと効果的です。
車についた場合(塗装面)
- ぬるま湯を含ませた布を数分当て、フンをふやかします。
- やわらかい布でやさしく拭き取ります(こすらないように注意)。
- カーシャンプーや中性洗剤で洗浄し、すすぎます。
- 最後にワックスやコーティング剤で保護しておくと、再汚染を防げます。
ベランダやコンクリートに付着した場合
- ヘラや使い捨ての紙でフンを取り除きます。
- 水で濡らしながら中性洗剤とブラシでこすります。
- 洗剤を残さないように水でしっかりすすぎます。
- 必要に応じて、薄めた漂白剤(10倍希釈)を使用して消毒します。
屋外家具や洗濯物干しに付着した場合
- ペーパーや布で汚れを取り除きます。
- 中性洗剤を含ませたスポンジで拭き取ります。
- きれいな水で洗い流し、乾いた布で拭きます。
- 除菌スプレーなどで仕上げの消毒を行うと安心です。
消毒と衛生管理も忘れずに
- 鳥のフンには細菌やウイルスが含まれている可能性があります。
- 処理の際は直接触れないよう注意し、作業後は石けんで手洗いをしましょう。
- 作業に使った道具も清潔に保つよう心がけてください。
鳥のフンを避けるには?
フンの直撃を受けやすい場所とタイミング
鳥のフン被害に遭いやすいのは、電線や街路樹の下。鳥が長時間とどまっている場所では、それだけ排せつの回数も増えるため注意が必要です。
また、鳥は飛び立つ直前に体を軽くするために排せつすることもあり、人の動きや音に反応して“被弾”することもあります。
「白いものが狙われる」は本当?
「白い車や服は鳥のフンが落ちやすい」という説もありますが、これには明確な根拠はないとされています。
実際には、色よりも「鳥がとまりやすい場所にあるか」「長時間駐車されているか」などの要因の方が大きいようです。
とはいえ、白い服を着ているときに限って被害に遭った経験がある……という声も少なくありません。
鳥のフンは危険?感染症の可能性も
鳥のフンには、細菌やウイルスが含まれていることがあり、まれに感染症を引き起こす可能性があります。
たとえば「鳥インフルエンザ」や「オウム病」などが知られており、特に大量のフンや死骸などへの濃厚接触には注意が必要です。
ただし、必要以上に恐れる必要はありません。フンが付着した場合はすぐに洗い流し、手洗いやうがいをしっかり行うことで、多くの感染リスクは避けられます。
まとめ:鳥のフンは自然の一部、正しい知識で冷静に対処を
鳥のフンは、白く見えても実は尿の一部であり、色によって鳥の体調がうかがえる自然現象のひとつです。
直撃に遭ってしまっても過度に焦らず、手洗いや衣服の洗浄をしっかり行うことで健康への影響は避けられます。
電線や街路樹の下ではなるべく注意して歩く、鳥が多く集まっている場所を避けるなど、ちょっとした心がけで被害も減らせるでしょう。
自然とうまく付き合いながら、冷静に対処する知識を持っておきたいですね。