外食をしていると、想像以上の量が出てきたり、苦手な食材が含まれていたりして、食べきれないことがあります。そんなとき「残すのは失礼なのでは?」と気になったことがある人も多いでしょう。
家族や友人との気楽な食事だけでなく、上司や取引先との会食などフォーマルな場では、なおさら配慮が求められます。
とはいえ、無理して完食する必要はなく、状況に応じた自然な対応が大切です。
外食で、食事を残してしまうのはマナー違反?
同席者への配慮と自然なふるまい
気心の知れた相手であれば、「お腹いっぱいで食べられそうにない」と正直に伝えたり、もし好みそうであれば「よかったら食べてくれない?」とお願いするのも問題ありません。
一方、目上の人や仕事関係者との食事では、食事の量に不安があるときは注文時に「少なめで」とお願いしておくとスムーズです。
たとえ食べきれなかったとしても、理由が体調やその日の食欲などであれば失礼にはあたりません。「おいしかったけれど、ちょっと多かったです」など、率直で穏やかな言葉を添えるだけで、相手に不快感を与えることも避けられます。
食事の時間は、同席者と気持ちよく過ごすことが何よりも大切です。多少残してしまったからといって、極端に気に病む必要はありません。
お店への気遣いと適切な対応
料理を残してしまった場合、店員が皿を下げに来たタイミングや会計時などに、「おいしかったのに食べきれなくてすみません」と一言添えると、丁寧な印象を与えることができます。
そうしたやり取りがあると、お店側も安心し、次回の来店時にも気持ちよく迎えてくれるでしょう。
また、料理を持ち帰りたいと考える人もいるかもしれません。日本ではまだ一般的とはいえないものの、食品ロスの観点から注目されつつあります。
アメリカでは「ドギーバッグ」と呼ばれる容器を持ち歩き、食べ残しを持ち帰る文化が定着しています。
日本でも「ドギーバッグ普及委員会」などの活動により、対応する店舗も増えてきています。
ただし、持ち帰りが可能かどうかは店舗の方針や料理の性質によって異なります。
生ものや要冷蔵の品などは、衛生上の理由で断られることもあるため、事前に確認するのがベストです。
お店に無理を言わず、あくまで相談という形でお願いするとよいでしょう。
外食は「楽しむ」ことが一番
マナーとは相手への思いやりを行動で示すこと。無理に食べきることよりも、その場の雰囲気を大切にし、周囲との関係を円滑にすることが求められます。料理を残してしまっても、それが体調や個人の事情によるものであれば問題ありません。丁寧な言葉と対応があれば、失礼になることはほとんどないでしょう。
外食の場では、会話や雰囲気も料理と同じように味わうもの。肩ひじ張りすぎず、適度なマナーと気配りを忘れずに、リラックスして楽しみましょう。