階段を下るときに速足になるのはなぜ?【雑学】

通勤ラッシュの時間帯、駅の階段を勢いよく下っていく人々を目にしたことがある人は多いはずです。
そのスピードはときに驚くほど速く、初めて見る人にとっては異様に感じられるかもしれません。
なぜ階段を下ると自然と速足になってしまうのでしょうか?その理由には、身体の構造と日常の環境が関係しています。

目次

階段を下るときに速足になるのはなぜ?

速くなるのは「重力」のせい

階段を下るときに自然とスピードが上がるのは、重力の影響によるものです。
高い場所から低い場所に移動する際、位置エネルギーが運動エネルギーへと変換されるため、意識せずともスピードが増していきます。
これは、坂を転がるボールと同じ原理です。

また、筋肉には「伸張反射」という特性があります。
これは、筋肉が外から引き伸ばされると、自動的に縮もうとする働きのこと。
この反射に適したリズム、約0.15秒の間隔でステップを踏むと、リズミカルに身体が動きやすくなります。
結果として、階段を下るテンポが速くなりやすいのです。

速く下るには「筋力」も必要

重力によってスピードが出やすいとはいえ、全ての人が同じように速く階段を下りられるわけではありません。
スピードをコントロールしながら下るには、脚の筋力が必要です。
筋力が不足していると、勢いを抑えることができず、転倒などのリスクが高まります。

特に高齢者は筋力の低下により、かかとをつけながらでないと階段を下りるのが難しくなりがちです。
かかとをつけずにスムーズに下れる場合は、下半身の筋力がしっかりしている証拠といえるでしょう。

階段を下るスピードが速い&階段生活は足腰に良い?

都市部の人は足腰が鍛えられやすい

実は、都心部で生活している人の方が、階段の使用機会が多いため、自然と足腰が鍛えられているケースがあります。
特に、地下鉄の駅などでは上りにエスカレーターがあり、下りは階段という場所が多く、毎日の移動の中で筋肉が使われる環境が整っているのです。

階段を下りることで使われる主な筋肉は、大腿四頭筋やふくらはぎの筋肉です。
高層階から一気に階段を下ると息切れはしないものの、筋肉痛が残ることもあります。
これは筋肉の繊維が微細に傷ついた結果で、回復後は筋力がアップするという好循環も期待できます。

家庭内では注意が必要

家の中では、階段の段差が高く、踏面が狭いため、スリッパや靴下では滑りやすくなります。
屋外とは違い、スピードを出すのは危険なので、慎重に下ることが大切です。
また、人が多く行き交う駅などでも、状況によっては周囲への配慮が必要です。

まとめ

階段を下ると速足になるのは、重力や身体の自然な反応が関係しています。
しかし、その速さをコントロールできるのは筋力がある証拠でもあります。
安全に配慮しながら、日常の中で自然に運動機会を増やす工夫として、階段の下り方を意識してみるのもよいかもしれません。

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