冬から春先にかけて旬を迎える「芽キャベツ」。見た目はキャベツをそのまま小さくしたように見えますが、実はまったく異なる特徴を持つ野菜です。
今回は、芽キャベツとキャベツの違い、栄養面での魅力について紹介します。
芽キャベツとキャベツとの違い
芽キャベツはキャベツの“若芽”ではない
芽キャベツは見た目の印象から「キャベツの小さいバージョン」と誤解されがちですが、実際には別の成長の仕方をする植物です。どちらもアブラナ科に属する点では共通していますが、形成される場所が異なります。
通常のキャベツは、株の中心部分にある芽が大きくなって、丸く結球することでできあがります。一方で、芽キャベツは茎の側面にあたる葉の付け根部分に「わき芽」として発生し、それが1個ずつ小さく結球したものです。
1株から50個〜90個ほど収穫できる品種もあり、見た目こそ小さくかわいらしいですが、れっきとした独立した形で育つ野菜なのです。
苦味やアクがあるので下処理が大切
キャベツと比べると、芽キャベツはやや苦味がありアクが強いため、そのまま生で食べるのには適していません。とくに、苦味やえぐみが気になる方は、下茹でをしてから調理に使うのがおすすめです。
下茹での手順は以下の通りです:
- 外側の葉を1〜2枚ほどむき取る
- 根元(芯)の部分に十字の切り込みを入れる
- 塩をひとつまみ加えたお湯で茹でる
用途に応じて茹で時間を調整しましょう。煮込み料理に使う場合は1〜2分程度、サラダなどでそのまま食べるときは10分ほど茹でるとしっかりアクが抜けます。
芽キャベツの栄養価はキャベツ以上
芽キャベツは見た目は小さいですが、その中には豊富な栄養素が凝縮されています。とくに以下の栄養素が、一般的なキャベツに比べて多く含まれています。
- 食物繊維・カリウム:約3倍
- ビタミンC・葉酸:約4倍
- ビタミンB2:約7倍
- β-カロテン:約14倍
このように、芽キャベツは美容や健康維持にも効果的な栄養素を多く含む優秀な野菜です。小ぶりで調理しやすいため、日々の食事にも取り入れやすいのが魅力といえるでしょう。
まとめ
芽キャベツはキャベツと名前は似ていますが、育ち方も風味も異なる野菜です。小さな見た目の中に豊富な栄養が詰まっており、下処理さえしっかりすれば、さまざまな料理に活用できます。冬から春にかけてが旬のこの時期、ぜひ芽キャベツを食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。