茶色の作り方を分かりやすく解説!

「もう少しやわらかい茶色にしたいのに、暗くなりすぎてしまう」「イメージ通りのブラウンがなかなか作れない」。

絵の具やネイル、レジンなどで色を混ぜていると、こんな悩みを感じることは少なくありません。

茶色は身近な色ですが、実は混色のバランスが難しい色のひとつです。

そこでこのページでは、絵の具・ネイル・レジン・粘土・食紅など、さまざまな素材で茶色を作る方法を整理しながら、失敗しにくい調色のコツをまとめてご紹介します。

基本の作り方から応用テクニックまでひと通り押さえれば、思い描いたブラウンを自分で再現できるようになります。

目次

絵の具で茶色を作る基本テクニック

茶色は何色と何色を混ぜればでるのか基本色

もっとも分かりやすい基本形は、「赤+黄+黒」です。

赤と黄でオレンジを作り、そこに黒を少しずつ加えていくと、自然なブラウンになります。

黄色を多くすれば明るめの茶色に、赤を多くすれば赤みのある茶色に近づきます。

絵の具の種類によって発色は異なるため、比率はあくまで目安としてとらえ、少しずつ調整していくのが安心です。

もっとも簡単な作り方:オレンジ+黒で茶色を作る

絵の具で茶色を作る際に初心者でも扱いやすいのが、「赤+黄+黒」の組み合わせです。

まず赤と黄色を混ぜてオレンジを作り、そのオレンジに黒をほんの少し加えて茶色に近づけていきます。

 

赤と黄色のバランスでベースカラーを整える

茶色作りの出発点となるのが、赤と黄色で作るオレンジです。

この時点でどんなオレンジにするかによって、最終的な茶色の印象も変わってきます。

イメージ 赤:黄 特徴
標準的なオレンジ 1:1 クセの少ないベースカラー
黄みの強いオレンジ 1:2 明るく軽い印象になりやすい
赤みの強いオレンジ 2:1 温かく濃い雰囲気の茶色に向く

この段階で「どんな茶色にしたいか」を意識しながら、好みのベースのオレンジを作っておくと、その後の調整がスムーズになります。

黒は“ひとさじ”ずつ加えるのが鉄則

オレンジができたら、次に黒を加えていきます。

黒は発色がとても強いので、一度にたくさん入れてしまうと一気に暗くなり、濁ったような色になりがちです。

爪楊枝や筆の先に少量だけつけて混ぜ、様子を見ながら少しずつ足していくと失敗が減ります。

また、絵の具は乾くとやや暗く見えるため、調色の時点では「少し明るいかな」と感じるくらいで止めておくと、乾燥後にちょうどよく仕上がることが多いです。

白や黒の量で明るさと深みをコントロールする

できあがった茶色に白を加えると、ミルクティーのようなやわらかいブラウンになります。

逆に黒の量を少し増やしていくと、こげ茶やチョコレートのような深いブラウンに近づきます。

赤・黄・黒(+必要に応じて白)という基本3〜4色を押さえておくだけで、幅広い茶色のバリエーションが作れるようになります。

 

三原色で作るナチュラルな茶色

赤:黄:青=2:2:1 のように、青を少し控えめにする配合から試してみると、標準的なブラウンが作りやすいです。

黄色を増やすと黄みの強いブラウンに、赤を増やすと赤茶に、青を増やすと暗めでクールなブラウンに寄っていきます。

 

赤・青・黄の三原色から茶色を作る仕組み

手元に黒がない場合でも、「赤・青・黄」の三原色があれば茶色を作ることができます。

三原色を混ぜると、紫・緑・オレンジといった中間色が重なり合い、彩度が落ちた落ち着いた色合いになります。

この性質を利用すると、土や木の幹など、自然物に近い素朴なブラウンを表現できます。

配合バランスで変わる色の印象

配合バランス(赤:青:黄) 仕上がりのイメージ
1:1:1 くすみのある標準的なブラウン
1:1:2 黄みの強いナチュラルブラウン
2:1:1 赤茶寄りの温かいブラウン
1:2:1 少し冷たさを感じる暗めのブラウン

三原色を使うときは、いきなり3色を同時に混ぜるのではなく、まず2色で中間色を作ってから3色目を少しずつ足していくと、色の変化がつかみやすくなります。

特に青は少量でも色を大きく変えてしまうため、最後に様子を見ながら加えると安心です。

 

補色を使った茶色作り:オレンジ+青・緑+赤

オレンジと青で作る落ち着いたブラウン

オレンジと青は色相環上で向かい合う「補色」の関係にあります。

補色同士を混ぜるとお互いの鮮やかさが弱まり、くすんだ中間色が生まれます。

オレンジに青を加えると、自然物の陰影に使いやすい、深みのある茶色になります。

オレンジ:青 仕上がりの傾向
3:1 カーキ寄りの落ち着いたブラウン
2:1 木の幹や土に使いやすいナチュラルブラウン
1:1 重厚感のある深いブラウン〜グレー寄り

青を入れすぎると、緑やグレーに寄りやすいので、小量ずつ加えながら白い紙に試し塗りして確認するのがおすすめです。

 

緑と赤で作る自然なブラウン

緑と赤も補色関係にある組み合わせです。

黄色+青で作った緑に、赤を少しずつ混ぜていくと、黒を使わずに落ち着いた茶色を作ることができます。

使用色 役割
黄+青 緑のベースを作る
緑に加えて茶色に近づける

赤を多くするとレンガのような暖色系ブラウンに、緑寄りにするとカーキやオリーブのような色味になります。

黒を使ったときのような重さを出さずに、自然な深みを表現したいときに便利な方法です。

 

黒を使わずに作る柔らかい茶色

補色の組み合わせで黒代わりの落ち着きを出す

「色が重くなりすぎるのが気になる」「透明感を保ちたい」という場合は、黒の代わりに補色を使う方法が役立ちます。

組み合わせ 仕上がりの特徴
緑+赤 自然な土色に近いブラウン
オレンジ+青 ややクールな落ち着いたブラウン
紫+黄 やわらかいくすみ系ブラウン

補色を混ぜると彩度が下がり、穏やかな中間色になります。

ただし、混ぜすぎるとグレーに近づくことがあるため、様子を見ながら少しずつ色を足していきましょう。

 

明るい茶色を作る方法

明るいブラウンにしたい場合は、基本の茶色に白や黄色を加えます。

白を加えるとやわらかく淡い色合いに、黄色を加えると温かみのある明るめブラウンになります。

どちらも入れすぎると元の色がぼやけてしまうので、少しずつ様子を見ながら足していきましょう。

 

配合比率でつくる「なりたい茶色」

赤・黄・黒(青)の比率で大まかな方向性を決める

茶色の印象を決める要素は、混ぜる色の割合です。

赤・黄・黒(または青)の比率を変えることで、雰囲気の異なるブラウンを作ることができます。

赤:黄:黒 イメージ
3:2:1 もっとも標準的なブラウン
4:2:1 赤みの強いレンガ色系ブラウン
2:3:1 黄みのある明るいブラウン
3:2:0.5 やや明るめでやわらかいブラウン

ここに白を加えれば軽やかな色に、青をほんの少し加えれば落ち着いた寒色寄りのブラウンになります。

配合を記録しておくと再現が簡単に

一度「理想の色」ができたら、使った色とだいたいの分量をメモしておくと、後から同じ茶色を作りたいときに便利です。

いつも同じ筆先やスプーンを使って各色をすくうようにすると、感覚的な配合でも再現しやすくなります。

 

アクリル絵の具と水彩絵の具の違い

アクリルで作るしっかりしたブラウン

アクリル絵の具は、発色が強く乾くと耐水性が出るのが特徴です。

赤と黄で作ったオレンジに黒を足せば、濃厚ではっきりとした茶色が作れます。

木材やレンガ、革など、重厚感のあるモチーフを描きたいときに向いています。

一度乾くと再び溶けないため、調色する量やスピードには注意が必要です。

水彩で作る柔らかいブラウン

水彩絵の具は、水の量で色の濃さや透明感を調整できるのが魅力です。

赤+黄+黒の基本に水を足し、薄く重ねていくことで、柔らかいブラウンや繊細な影を表現できます。

風景画や淡いイラストなど、やさしいタッチで描きたい作品と相性の良い方法です。

 

素材別・茶色の作り方

色鉛筆で作るブラウン

色鉛筆で茶色を表現したいときは、重ね塗りが役立ちます。

赤と黄色を軽く塗り、その上から黒や紺をふんわりと重ねると、深みのあるブラウンになります。

紙の質によって発色が変わるので、少しざらつきのある画用紙などを選ぶと、色が乗りやすく混ざりやすくなります。

 

粘土で作る茶色:乾燥後の色変化に注意

紙粘土や樹脂粘土の場合は、乾く前に色を練り込んでおくのが一般的です。

赤と黄色でオレンジを作り、黒または青を加えて茶色に近づけていきます。

粘土は乾燥すると少し明るく見えることが多いため、狙った色よりやや濃いめに作っておくとちょうどよく仕上がります。

もし完成後に色を調整したくなった場合は、乾燥後にアクリル絵の具で表面を塗装することもできます。

 

食紅で茶色を作るときのポイント

クッキーやアイシングなど、食品を着色したいときは食紅を使います。

赤と黄でオレンジを作り、そこに青や黒をごく少量ずつ加えることで、やさしい茶色に仕上がります。

生地やクリームなど、素材そのものの色によって発色が変わるため、必ず薄い色からスタートし、少しずつ濃くしていくのが安全です。

 

ネイル・ジェルネイルでブラウンを作るコツ

ネイルカラーやジェルネイルで茶色を作る場合も、基本は絵の具と同じで「赤+黄+黒(または紺)」です。

まず赤と黄でオレンジを作り、そこに黒や紺を少量加えて深みを出します。

ジェルは粘度が高いため、パレット上でスパチュラなどを使ってよく練り合わせることが大切です。

黒や紺はごく少量でも印象が大きく変わるので、「少しずつ」足していくのが鉄則です。

トップコートを重ねると色が濃く見えることが多いため、調色段階ではやや明るめに仕上げるとバランスが取りやすくなります。

 

レジン・レジン液で作る透明感のあるブラウン

レジンで茶色を作るときは、透明感を損なわないことがポイントです。

レジン専用の着色剤や顔料を使い、赤+黄でオレンジを作ってから、黒や青を少しだけ加えて調整します。

着色料を入れすぎると不透明になりやすいので、ごく少量から始めて色の濃さを見ながら足していきます。

硬化後にくすんだ印象になった場合は、上からクリアレジンを薄く重ねるとツヤと奥行きが戻り、きれいに見えます。

 

 

チョークでの混色と重ね塗りのコツ

チョークの場合は、粉状に削った色同士を混ぜる、または紙の上で重ね塗りして茶色を作ります。

赤と黄を塗った上から黒や紺を薄く重ねると、落ち着いたブラウンが現れます。

少しずつ色を重ねていくことで、グラデーションやくすみ感のある表現も簡単に作ることができます。

 

 

 

 

 

こげ茶・くすみブラウンなど応用バリエーション

こげ茶色の作り方

通常の茶色にさらに深みを加えたものが、こげ茶色です。

ベースの茶色に黒や青を少しずつ足していくと、木の幹やレザー、濃い土にぴったりの色が作れます。

暗くしすぎるとほとんど黒に見えてしまうので、「少しずつ」「都度試し塗り」がポイントです。

ミルクティー色・スモーキーブラウンを作る

バリエーション 配合の目安 イメージ
ミルクティー色 茶色+白 やさしく柔らかな印象
スモーキーブラウン 茶色+グレー 落ち着いたくすみカラー
アースカラー系ブラウン 茶色+少量の緑や青 自然な土や岩の色合い

ベースとなる茶色に、もう1色だけ追加するだけでも、雰囲気の違うブラウンが簡単に作れます。

 

赤と緑を混ぜるとくすんだ茶色になる

赤と緑を混ぜると、くすんだ茶色やグレー寄りの中間色になります。

赤と緑は補色の関係にあり、お互いの鮮やかさを打ち消し合うためです。

使う絵の具や比率によっては灰色に近づくこともありますが、落ち着いた土色のようなブラウンを作りたいときには便利な組み合わせです。

 

失敗しない茶色作りのために覚えておきたいこと

履歴書やデザインで色を扱うときの注意点

作品や印刷物の色を指定するときに、イメージと違う色になってしまうことがあります。

ブラウンは微妙な差が印象につながる色なので、完成形に近い色サンプルを残しておいたり、配合比率をメモしておくことが大切です。

ツール任せにしすぎないことも大切

デジタルのカラーピッカーや自動変換機能は便利ですが、実際の絵の具やネイルの色とは見え方が異なることもあります。

最終的には必ず自分の目で確認し、「少しずつ混ぜて、少しずつ調整する」ことを意識すると、失敗を大きく減らすことができます。

まとめ:配合と素材を理解すれば茶色作りはぐっと楽しくなる

茶色は、赤・黄・青・黒・白といった基本色の組み合わせと、わずかな配合の違いで表情が大きく変わる色です。

絵の具・ネイル・レジン・粘土・食紅など、素材によって扱い方は少しずつ異なりますが、

  • ベースカラーをどう作るか
  • 濃い色を少しずつ足すこと
  • 明るさやくすみは白・黒・グレー・青で調整すること

というポイントさえ押さえておけば、失敗はぐっと少なくなります。

配合を記録しながら何度か試していくうちに、自分らしい理想のブラウンが見つかっていきます。

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