小学校に入学して初めて出会う本格的な学びの一つが「算数」です。
数字にふれたり、足し算・引き算を覚えたりと、多くの子どもにとって新鮮な体験となります。
しかし一方で、「数字が覚えられない」「数えるのが面倒」「問題の意味がわからない」といった理由で、算数に苦手意識を持つお子さまも少なくありません。
今回は、小学1年生が算数を嫌いになる原因と、楽しみながら克服するための方法をご紹介します。
小学1年生が算数を嫌いになる主な原因
抽象的な「数字」が実感しづらい
子どもにとって、まだ数字は「記号」に近く、意味を結びつけにくいことがあります。
例えば「5+3=8」という式も、「なぜそうなるのか」が理解できないと、ただ暗記するだけになり苦手意識につながります。
間違える経験が怖くなってしまう
学校の授業で指されたときに答えを間違えたり、繰り返し注意されたりすると、自信をなくしてしまう子もいます。
「できなかった=ダメなんだ」と思い込んでしまうと、次第に算数を避けるようになります。
問題文の意味が理解できない
文章問題に出てくる言葉の意味がわからず、何をすればいいのか分からないまま戸惑ってしまう子もいます。
特に国語の読解力が未発達な時期は、「文章を読むこと自体」がハードルになることがあります。
算数嫌いを克服するための5つの方法
1. 具体物を使って「見て・触れて・理解する」
ブロックやおはじき、紙のカードなどを使って、実際に数を「見える化」すると、抽象的な数字がイメージしやすくなります。
「3つのおはじきに、あと2つ足すといくつ?」といったやりとりで、数の増減を体感できるようにしましょう。
2. 遊びながら算数に親しむ
すごろく、トランプ、かるたなど、数を使った遊びは、算数の学習と非常に相性が良いです。
「勉強」と身構えずに、遊びの中で自然と数にふれる時間をつくってあげましょう。
3. 小さな「できた!」を積み重ねる
簡単な問題からスタートし、正解できたときはしっかり褒めてあげることが大切です。
「前より速くできたね」「自分で答えを見つけられたね」と、結果だけでなく努力や姿勢にも目を向けてあげましょう。
4. 1日5分から始める家庭学習
長時間の勉強はまだ難しい年齢なので、無理に詰め込まず、毎日5~10分程度のミニ学習を習慣化するのがおすすめです。
短くても継続することで、「机に向かう」ことへの抵抗が減っていきます。
5. 問題文の意味を親がやさしく補足
文章問題が苦手なお子さまには、「これは〇〇を何個集める問題だよ」と補足してあげるだけでも理解が深まります。
一緒に読みながら「何を聞いてるのか」を確認することで、読み取る力も少しずつ育っていきます。
おすすめの教材・アプローチ
絵やキャラクターが豊富なドリル
1年生向けのドリルは、絵やキャラクターが登場するものが親しみやすく、お子さまの興味を引きやすいです。
問題量は少なくても、「楽しく学べる」ことを重視して選びましょう。
動画やアニメで視覚的に学ぶ
最近では、算数の基本をアニメや解説動画で学べる無料ツールも増えています。
テンポの良い映像を使えば、集中力が短いお子さまでも飽きずに学べることが多いです。
親子のやりとりで「対話型学習」
「どう思う?」「これはどうやって考えたの?」といった問いかけを通して、一緒に考える時間をつくると、学びが深まります。
教え込むのではなく、子どもの思考を引き出すことを意識すると、自信が育ちます。
まとめ:小学1年生の「はじめのつまずき」をチャンスに変えよう
算数が「わからない」「できない」と感じる最初のきっかけを、放置せず丁寧にサポートすることが、後の学習にも大きく影響します。
大切なのは、できるだけ早い段階で「算数って楽しい」「やってみようかな」と思える経験を重ねていくことです。
焦らず、お子さまのペースに合わせて、一歩ずつ楽しく進んでいきましょう。