最近耳にする機会が増えている「れんげ米」。その名前から、れんげ草が関係していることは想像できますが、具体的にどのようなお米なのでしょうか。
れんげ米とは
実際にれんげ米を生産している企業の情報を簡単にまとめました。
れんげ草を活用した昔ながらの農法で育てられるお米
れんげ米とは、れんげ草を育て、それを田んぼに鋤き込んで土壌を豊かにした上で栽培されたお米のことです。れんげ草は、春になると紅紫色の花を咲かせるマメ科の植物で、かつては農村部でよく見られる存在でした。
れんげ草の根には根粒菌という微生物が共生しており、空気中の窒素を固定して地中に蓄えるという特性があります。そのため、れんげ草をすき込むことで田んぼの栄養が高まり、化学肥料を使わなくても作物を健やかに育てることができるのです。
こうした「緑肥」と呼ばれる農法は、かつて日本全国で広く行われていましたが、現在では化学肥料の普及に伴って減少傾向にあります。
また、れんげ草の開花時期がゴールデンウィーク前後にあたるため、田植えの時期をずらさなければならず、近年では兼業農家にとって栽培が難しいという事情も背景にあるようです。
冷めても美味しい、粘りのある風味豊かなお米
このれんげ米は、化学肥料に頼らず自然の力で育てられているため、環境にやさしく、安心して食べられるという魅力があります。また、れんげ農法と相性の良い品種を選ぶことにもこだわっており、現在は粘りのある「キヌムスメ」という品種を使用しているとのことです。
このお米は、炊き上がりがふっくらとしていて、もちもちとした食感が特徴。冷めても風味が損なわれにくく、お弁当やおにぎりなどにも最適です。特に寒暖差のある地域で育てられることにより、お米本来の甘みやうま味が引き立ち、口に含んだ瞬間に豊かな風味が広がります。
より美味しく炊くコツ:はちみつを加える
さらに、れんげ米を一層おいしく楽しむための工夫も教えていただきました。炊飯時に米3合あたり小さじ1ほどのはちみつを加えることで、お米の保水力が高まり、よりふっくらとした仕上がりになるそうです。
この方法はれんげ米に限らず、古くなったお米でもふっくらと新米のような食感を再現できるため、日常的な炊飯にもおすすめです。
まとめ:れんげ米は環境と人にやさしいお米
れんげ米は、れんげ草という自然の恵みを活かして育てられた、安心・安全で風味豊かなお米です。かつては一般的だったこの農法を現代に継承しつつ、よりおいしく、体にも優しい食を届けたいという生産者の思いが詰まっています。
自然と共存しながら育てられたお米を、毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。冷めても美味しいれんげ米は、おにぎりやお弁当にもぴったり。いつものご飯が、より一層楽しみになるかもしれません。