お店で買い物をしたとき、ふと受け取ったレシートの端がピンク色になっているのに気づいたことはありませんか?
「インクがにじんでいるのかな?」「特別なキャンペーン?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
実は、この“ピンク色のレシート”にはしっかりとした意味があります。
今回は、レシートの両端がピンク色になる理由や、知っておくと便利な豆知識をわかりやすく解説します。
レシートの端がピンク色になる理由
レシート用紙の残りが少なくなっているサイン
レシートの両端がピンク色になっているのは、レシート用紙の残量が少なくなっているサインです。
つまり、「そろそろレジのロール紙を交換してください」というお知らせの意味を持っています。
これは、どの店舗でも共通して採用されているサインで、レシートを発行する機械(レジスターやPOS端末)が使う“感熱紙”にあらかじめ印刷されているものです。
感熱紙とは?
一般的なレシートにはインクが使われていません。
レシート専用の「感熱紙」という特殊な用紙が使われており、熱によって黒く変色する仕組みになっています。
この感熱紙は、印字部分だけでなく、紙の端にピンクや赤のラインが印刷されており、
それが「残り少ない」ことを知らせる目印になっているのです。
ピンク色になるタイミングと仕組み
ピンク色のラインが現れるのは、レシートロールの終わりに近づいたタイミングです。
ロール紙の巻きの最後の部分(おおよそ5〜10メートル前)に、あらかじめピンクのインクが印刷されており、
レシートを出すたびにその部分が現れる仕組みです。
このサインが出ると、店員さんは「もうすぐ紙が切れる」と判断して新しいロールへの交換を準備します。
つまり、ピンク色のレシートをもらったからといって、不良品でも特別な意味でもなく、
単に「ロール交換のタイミングが近い」というだけのことなのです。
ピンクのラインが出るその他の原因
通常は「紙切れのサイン」ですが、まれに別の原因でピンク色が出る場合もあります。
次のようなケースも知っておくと安心です。
1. レジの印字設定や熱の影響
感熱紙は熱に敏感なため、レジの印字ヘッドの温度や劣化によって、
端の部分に色むらやピンクがかった変化が出ることがあります。
この場合、店舗側のレジ設定を調整することで改善されます。
2. 湿気や保存環境の影響
レシートを湿度の高い場所に長時間置いておくと、感熱紙の薬剤が反応し、
全体的にピンクや茶色がかって見えることがあります。
これは保存環境によるもので、特に夏場や梅雨の時期に起こりやすい現象です。
3. 感熱紙メーカーによる違い
メーカーによっては、ピンクのラインではなく赤やオレンジの線を印刷している場合もあります。
これは工場ごとの仕様の違いであり、店舗によって色味が異なるのはそのためです。
基本的にはどの色でも「残りわずか」のサインであることに変わりはありません。
レシートのピンク色は危険?健康への影響は?
感熱紙には以前、BPA(ビスフェノールA)と呼ばれる化学物質が使われていた時期があり、
それが「皮膚から吸収されるのでは」と懸念されたこともありました。
しかし、現在は多くのメーカーがBPAフリーの感熱紙を採用しており、
ピンク色のラインも安全性の高いインクで印刷されています。
そのため、手で触れたり財布に入れたりしても健康への影響はほとんどありません。
ピンクのレシートをもらったときの対処法
レシートがピンクになっていても、特に問題はありません。
ただし、次のような点を意識するとより安心です。
- ピンク色が濃くなっていたら「紙切れ寸前」のサイン
- 記録として保存したい場合は、なるべく早めにコピーを取る(感熱紙は長期保存に不向き)
- 財布やポケットに長時間入れると変色しやすいので、保管場所を工夫する
とくに領収書代わりに保管しておきたい場合は、
スマホで写真を撮っておくなど、デジタル保存をしておくのがおすすめです。
まとめ:レシートのピンク色は「交換のサイン」だった!
レシートの両端がピンク色になるのは、レジロールの紙が残りわずかになった合図です。
特別なメッセージや印刷ミスではなく、店舗側が次の紙を交換するための目印です。
また、保存環境によってもピンクがかって見えることがありますが、いずれも安全上の問題はありません。
つまり、ピンクのレシートをもらっても心配は不要。
むしろ「このお店、もうすぐ紙を交換するんだな」と思えば、それだけで安心です。
ちょっとした日常の“なぜ?”を知ると、身近な出来事も少し面白く感じられるかもしれませんね。