子どもは好奇心旺盛で、時には思いがけないものを口に入れてしまうことがあります。色鉛筆もその一つ。特に小さなお子さんは、カラフルな色鉛筆を「おいしそう」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、色鉛筆を食べてしまった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?
この記事では、色鉛筆を誤って食べてしまったときの対処方法や注意点について解説します。
色鉛筆の成分は安全なのか?
まず気になるのは「色鉛筆に含まれる成分」です。
現在、市販されている多くの色鉛筆は、人体に有害な成分を含まないように作られています。
- 芯の部分:主に顔料やワックス、粘土が使われており、食べてすぐに健康被害が出ることは少ないです。
- 外側の木材:通常は天然の木材や塗料が使われており、こちらも一般的には安全性が確保されています。
ただし、すべての色鉛筆が完全に無害とは限りません。製品によっては、稀に安全基準を満たしていないものもあるため、必ずパッケージの安全表示を確認することが大切です。
色鉛筆を食べてしまったときの対処法
お子さんが色鉛筆をかじったり、誤って口に入れてしまった場合は、以下の手順で冷静に対応しましょう。
① 口の中を確認する
まずは口の中に残っている色鉛筆の破片を確認し、取り除きましょう。木材や芯が残っている場合は、無理に取らず、うがいや水を飲ませることが効果的です。
② 様子を観察する
色鉛筆を少量かじった程度なら、ほとんどの場合は心配いりません。ただし、以下のような症状が出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。
- 吐き気や嘔吐
- 喉の痛みや異物感
- 発熱
- 下痢
③ 大量に食べた場合は医療機関へ
色鉛筆を「大量に食べてしまった」「塗料部分を舐め続けていた」などの場合は、念のため医療機関を受診してください。
特に、お腹の痛みや違和感がある場合は放置せず、早めに対応することが大切です。
病院に行くべきタイミングとは?
色鉛筆には基本的に毒性はありませんが、子どもが誤って食べてしまうと、不安になるのは当然です。目に見える症状が出た場合は、適切に対処することが大切です。
ここでは、病院を受診すべき目安を詳しくご紹介します。
① 大量に食べてしまった場合
特に赤ちゃんや小さな子どもは、知らず知らずのうちに鉛筆の芯をかじってしまうことがあります。
大人が見て「明らかに多い」と感じる量、たとえば鉛筆半分〜1本分ほど食べてしまった場合は、念のため病院を受診しましょう。少量であれば通常問題ありませんが、大量摂取は健康に影響を及ぼす可能性もあります。
② 喉に詰まって苦しそうにしている場合
鉛筆の芯や破片が喉に詰まると窒息の危険があります。次のような症状が見られた場合は、すぐに病院に向かいましょう。
- 呼吸が苦しそう
- 咳き込んでいるのに異物が出てこない
- 顔色が悪くなる
自宅で救急法(背部叩打法やハイムリック法)を試しても改善しない場合は、速やかに救急車を呼び、指示を仰いでください。
窒息は一刻を争う事態ですので、迅速な対応が必要です。
③ 腹痛や体調の異変が見られる場合
誤飲後に腹痛や嘔吐、その他の体調不良が見られる場合も、早めに病院を受診しましょう。
鉛筆の芯が原因か分からなくても、体調の異変は見逃さないことが大切です。
診察の際は、以下の点を医師に伝えるようにしてください。
- 鉛筆をどのくらい食べてしまったか
- いつ誤飲したか
- 現在の症状
また、誤って食べた鉛筆の芯や破片が残っている場合は、病院に持参しましょう。医師が適切な処置を判断するための重要な手がかりになります。
鉛筆を誤って食べてしまった場合、少量であれば大きな問題になることは少ないですが、大量摂取や喉に詰まった場合、あるいは体調に異変がある場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
子どもの安全を守るためにも、日頃から目の届く範囲で見守り、誤飲しない環境を整えることが大切です。
色鉛筆を誤飲させないための予防策
色鉛筆の誤飲を防ぐために、以下の対策を行いましょう。
① 子ども向けの安全な色鉛筆を選ぶ
「CEマーク」や「APマーク」といった安全基準を満たしている色鉛筆を選びましょう。
特に「子ども向け」と表示されている商品は、万が一口に入れても安全性が高いものが多いです。
② 使用時の見守りを徹底する
お子さんが色鉛筆を使うときは、必ず目の届くところで見守りましょう。
小さなお子さんには、使い終わったらすぐに片付ける習慣をつけることも大切です。
③ 子どもに正しい使い方を教える
「色鉛筆はお絵かきに使うもの」「口に入れてはいけない」ということを、言葉でしっかり教えてあげましょう。
絵を描く楽しさを伝えながら、安全な使い方を覚えてもらうことがポイントです。
色鉛筆以外で誤飲しやすいものもチェック!
色鉛筆の他にも、子どもが誤飲しやすいものには以下のようなものがあります。
- クレヨンやクーピー
- 小さなおもちゃやパーツ
- シールや紙片
- 消しゴム
誤飲はほんの一瞬の出来事で起きることが多いため、お子さんの手の届く場所には小さなものを置かない工夫が必要です。
まとめ
色鉛筆を少しかじった程度なら、ほとんどの場合は問題ありませんが、大量に食べた場合や体調に異変がある場合は、必ず医師に相談しましょう。また、誤飲を防ぐためには、安全な製品を選び、子どもに正しい使い方を教えることが大切です。
お子さんが安心してお絵かきを楽しめるよう、見守りと予防を徹底しながら、成長を温かく見守っていきましょう。