【徹底解説】パブロ・ピカソの名作「アルジェの女たち」とは

 

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アルジェの女たち / Women of Algiers:概要

作者: パブロ・ピカソ 制作年: 1954-55年 メディア: カンヴァスに油彩 サイズ: 114 cm×146.4 cm 所蔵者: カタール王室

「アルジェの女」は、パブロ・ピカソが1954年から55年の冬にかけて制作した油彩作品です。この作品は、ピカソが1954年から1963年にかけて制作した古典巨匠へのオマージュとなる連作の一つです。2015年5月11日にニューヨークのクリスティーズで競売にかけられ、約1億7900万ドル(約215億円)で落札されました。

この作品は、フランスの画家ドラクロワが描いた《アルジェの女たち》へのオマージュであり、「A」から「O」までの合計15作品の連作となっています。

アルジェの女たち / Women of Algiers:制作テーマ

制作背景

ピカソは1940年代初頭にまずラフスケッチを制作し、ドラクロワの作品を研究するために10年間ルーブル美術館に定期的に通っていました。そして1954年から始まったアルジェリアの独立運動に触発され、本格的に制作を始めました。ピカソはムーア人が支配していた頃のスペインと、彼が生きていた時代のアルジェリア独立戦争を関連付けて描きました。

表現とテーマ

ドラクロワが北アフリカ旅行で発見した光と色彩の重要性を取り入れ、ピカソもまた北アフリカで見つけたプリミティブで原始的な魅力を描きました。ドラクロワの「アフリカ発見」と関連付けた表現が特徴です。

この作品の主題は、伝統の理解と同時にそこからの自由・独立です。古典巨匠へのオマージュ、独立闘争、アフリカ(プリミティブ)の発見、そして娼婦街の女性たちという様々な要素をピカソ自身の来歴と関連付けた傑作です。

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